食物アレルギーは特定の食べ物を摂取するとじんましん、咳、喘鳴、嘔吐、下痢などの有害な症状が起きる病気です。0歳児から1歳児では、最も多い食物アレルギーの原因は鶏卵です。
鶏卵アレルギーの診断はまず始めに、今までどんな形態の卵を摂取して、どんな症状が出たか、くわしい問診を行います。採血によるアレルギー検査も同時に行うことが多いです。確定診断には食物経口負荷試験といって、実際に鶏卵を少量から摂取する検査があります。当院では、鶏卵の食物経口負荷試験には、固ゆで卵または炒り卵を使用します。
鶏卵アレルギー児の治療は、鶏卵の除去が基本となりますが、可能な範囲で部分的に摂取することをお勧めする場合もあります。
鶏卵の抗原性は加熱により減少します。いいかえると、アレルギーを起こす力が減少します。よって、鶏卵を部分的に摂取してもらう場合、加熱・加工の程度と摂取量の両方を考えに入れる必要があります。具体的には食物経口負荷試験で摂取できた量を基準に、摂取する鶏卵加工品・鶏卵料理の種類や、摂取量を決めます。